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  ableton / Tips & Tricks
- 音楽をプログラミングする -

*プリントデータダウンロード

Live 4の素晴らしい新機能の1つにMIDIシーケンスが付いたことは皆さんご存知かと思いますが、他にもより自由度が高くなったルーティングや、SimplerとImpulseという2つのインストゥルメンツが標準搭載になったことでLive 4での音楽製作環境の幅はずいぶん進化を遂げました。これらの新機能に隠れがちですが、今回ここで取り上げるフォローアクションは、セッションビューで演奏する際に役立つ、ユニークな新機能の1つです。クリップの演奏シーケンスを決めたり、ちょっとした自動演奏を組むことができるこのフォローアクションについて紹介していきたいと思います。Liveをインプロヴァイゼーションの作曲ツールとして慣れ親しんでいる方には明確にお分かりいただいているかもしれませんが、このフォローアクションの手法はたくさん(無限?)ありますが、ルールはいたってシンプルです。要するに各パラメータが何を示しているのかを理解すれば、あとは様々な活用法をご自身で試してその可能性を見つけ出してください。

フォローアクションの定義/作法

簡単に言ってしまえば、フォローアクションはあるクリップを立ち上げた際にどの程度そのクリップを再生し、その後、どのクリップを立ち上げるのかを決定する自動再生機能です。これはもちろん、一言で説明してしまえば、そういうことになりますが、これがこの機能の基礎的な概念です。この機能は1つのトラックに配置されている複数のクリップをアレンジメントのグループとして扱います。あるトラックの中に連続して並んでいるクリップを一つのグループとして定義します。下の図例ではドラムトラックに配置された5つのクリップで1つのグループ、ベーストラックにある5つのクリップが2つグループを形成しています。



この図例中で、ドラムトラックの最初のクリップは「MainBeat」となっています。このクリップはその再生後、下の他の4つのクリップのどれにでも自動再生できるようにフォローアクションをプログラミングできます。もう1つのベーストラックでは最初のクリップが「C」となっています。このクリップ「C」はその再生後に、必ず次のクリップ「F」以外の3つのクリップにプログラミングすることはできません。なぜならば連続して配置してあるクリップが1つのグループとして認識され、フォローアクションを設定できるからです。従ってこのベーストラックの場合、上の2つクリップで1つのグループ、下の3つクリップがもう1つのグループとなります。フォローアクションは同じトラック内のクリップでも、グループをまたがって設定できないことを覚えておいてください。

フォローアクションはクリプごとに設定します。設定画面はクリップビューの「Launch」ボックスのセクションにあります。(下図参照)一番上の項目がクリップの再生(次のアクションが発生する)時間(Time)、真ん中の2つの項目がアクション(どのクリップを再生させる)の選択(Choices)、一番下の項目は2つのアクション設定が適用される確率の割合(Odds)になります。



タイム: 再生時間を決定します。クリップを再生して(立ち上げて)からアクションが発生するまでの間隔を「小節:拍:16分」で設定できます。図例の設定では「1:0:0」となっていますが、これはこのクリップを立ち上げた後、1小節後に次のアクションに移ることを意味します。

チョイス: この2つのプルダウンメニューはそれぞれ異なるアクションを定義することができます。選択肢の内容は同じです。つまり、1つのクリップに対して、2つのアクションを定義することができることを意味します。左のアクションが適応されるか、右のアクションが適応されるのかはその下のパラメータ項目で決定されます。

オッズ: 左右のボックスには、Choicesの項目で設定したアクションが起こる確率(左右のアクションの比率)を決定します。図例では、「1:1」となっていますので、左右のアクションは等しい(50%)の確率でどちらかが適応されることを意味します。この項目は「0」から「999」までの数値を入力できます。設定値が「0」の場合、そのアクションは無効となります。つまり、2つの項目を両方とも「0」に設定しますと、そのクリップのフォローアクションは完全に無効になります。


フォローアクション

フォローアクションの動作はChoicesのリストから選択します。それぞれのアクションの動作は次の通りです。



ノーアクション: アクションを起こしません。初期設定ではこのコマンドが選択されています。この状態では何もアクションは起きません。

ストップ: クリップを停止します。設定時間後にそのトラックのクリップ再生が停止します。例えば、1小節のループを8小節再生してそれで終わりにしたいときやエンディングのクリップに有効なアクションです。

プレイアゲイン: そのクリップの再生を再度繰り返します。

プレヴィアス /ネクスト: 現在再生中のクリップの1つ上のクリップに切り替えます。もし、グループの最上段のクリップにこのアクションを適応した場合、グループの一番下のクリップが立ち上がります。 現在再生中のクリップの1つ下のクリップに切り替えます。もし、グループの最下段のクリップにこのアクションを適応した場合、グループの一番上のクリップが立ち上がります。

ファースト/ラスト: グループの最上段に配置されたクリップに切り替えます。もし、グループの最上段のクリップにこのアクションを適応した場合、そのクリップが再度立ち上がります。 / グループの最下段に配置されたクリップに切り替えます。もし、グループの最下段のクリップにこのアクションを適応した場合、そのクリップが再度立ち上がります。

エニー: グループ内のクリップのどれかをランダムに再生します。(現在再生中のクリップもこれに含まれます。)

ここで取り上げた図例では、アクションを1小節後に『Next』と「Any」、その比率を「1 : 1」に設定しています。これはつまり、このクリップを立ち上げて再生させると、1小節後に50%の確率でその下のクリップに切り替わるか、50%の確率でグループ内のクリップのどれかが立ち上がることを意味します。


ギターの練習のための活用例

まずはここをクリックして、サンプル例のLiveセットをダウンロードしてください。このシンプルなセットはMIDIのみを使用したものです。このファイルを開いたら、セッションビューでセットの一番上のシーン「Start」をクリックして再生してみてください。このセットで設定しているフォローアクションが実際にどのように動いていくかをご確認いただけます。

*もし、リンク先のファイルが正常にダウンロードできない場合は、右マウスクリック(もしくはControl + クリック)で、コンテクストメニューから“リンク先をダウンロード”を実行します。



このセットでは、「Drums」と「Bass」の2つトラックのみが使用されています。ドラムトラックのクリップはランダムに移動し、ベーストラックのクリップは上から順番に移動していきます。一番上にあるクリップ「MainBeat」をダブルクリックしてください。このクリップがこれまで例としてご紹介してきましたクリップであることがおわかりになるかと思います。Liveの再生を一度停止して、再度シーン1をクリックして再生をしてみてください。1小節後に、クリップ再生がドラムトラックの他クリップに移動するのをご確認できるでしょう。これがこの最初のクリップに設定されているフォローアクションが引き起こした結果です。次にドラムトラックのほかのクリップの設定を見てみましょう。これらのクリップはすべて、半々の確率で最初のクリップに移動するか、ランダムに移動するのかに設定されていることをご確認できます。これは「変化の無い反復を抑えた、より自然なニュアンスを持ったドラムパート」を演出するための結果です。時々ビートにスネアやキックのノートが追加されているのをご確認できると思います。

ベーストラックの方にもフォローアクションの機能が設定されていますが、ドラムトラックとは異なる結果を生み出します。このトラック中のすべてのクリップは、Oddsが「1:0」に設定されています。従って、常に左側のアクションが有効になっています。また、すべてクリップのアクションは「Next」に設定されていますので、クリップが下の方に順番に再生され、一番下のクリップを再生した後は一番上のクリップに戻って再生する「循環サイクル」になっています。ベーストラック上の全てのクリップは1小節の長さですが、そのいくつかは1小節以上の長さで再生します。これはフォローアクションのタイム設定が1小節(クリップの実際の長さ)よりも長く設定できるからです。実際に各クリップの設定をご確認してみてください。

これら2つのトラックのコンビネーションによって、シンプルなブルースの進行のバックトラックとなり、ギターの練習に役立つことと思います。しかもベースが決まった進行に従っているのに対して、ドラムのグルーブが自然に変化します。このようにフォローアクションを活用すれば、Liveセットにランダム変化をもたらし、単調になりがちな練習もより楽しくかつ「生きた」ものになります。また、更に違ったバリエーションのクリップをドラムトラックに加えることで、よりランダムな結果を生み出すことができます。フォローアクションによってLiveでの「ジャムセッション」は、より幅の広いものになったと言えます。


ドラムフィルとバリエーション

筆者がフォローアクションで最も気に入っている点は、ドラムフィルへの応用です。例えば多数のドラムフィルのクリップをソング使用するとします。しかし、フィルを入れるたびにメインのドラムクリップを立ち上げ直すのは少々面倒です。そこで、ファミリーキーボードのようにフィルを入れるとその後、メインビートに自動的に切り替われば便利だと感じました。そうです!フォローアクションを利用すれば、これが可能になります。
ここをクリックして、ドラムフィルのliveセットをダウンロードしてみてください。このセットを開きましたら、最初のシーンを再生してみてください。



このセットは1つのドラムトラックで構成されています。一番上のシーンにあるクリップ「MainBeat」は永久にループ再生するように設定されています。コンピュータのキーボードを英数モードにして「Q、W、E、R、T」のキーを押してみてください。これらのキーはそれぞれのフィルクリップにアサインされていますので、キーを押すと割り当てられたフィルクリップが再生された後、次の小節頭で自動的に「MainBeat」クリップに戻るのをご確認できます。また、フィルを入れるタイミングが小節から外れても、次の小節頭には必ず「MainBeat」に戻るように設定されています。

このように動作するのは、5つのフィルクリップが次の図例のように設定されているからです。この設定はクリップビューの「Launch;ラウンチ」の項目で行えます。



まず、これらのフィルクリップは、再生クォンタイズが、「1/8」に設定されています。これは、クリップの立ち上げタイミングが8分音符の単位にクォンタイズ(矯正)されていることを意味します。つまり、このクリップは必ず次の8分音符のタイミングで再生を始めることになります。次に、フォローアクションの時間が16分音符(0:0:1)になっているのがご確認できます。従ってこのクリップの再生開始した16分音符後にフォローアクションが動作することを意味します。このクリップのアクションは「First」に設定されていますので、この例では「MainBeat」に戻るようにプログラミングされていることになります。

ではなぜ、フォローアクションが16分音符後に設定されているにもかかわらず、「MainBeat」いつも小節頭から再生するのでしょうか? その理由は「MainBeat」のクォンタイズ設定が「Bar:1小節」になっているからです。つまり、フォローアクションの時間設定は命令を出すタイミングであり、クリップ「MainBeat」はその命令を受取、自身の設定された再生開始のタイミングで立ち上がるからです。もし、「MainBeat」のクォンタイズが「2Bar」に設定されているのならば、このクリップは常に2小節後に再生を開始します。

*このような動作はクォンタイズ設定が「Global;グローバル」設定以外で有効になります。「Global」に設定されているクリップは(トランスポートのグローバルクォンタイズの設定関わらず)フォローアクションの時間設定に従って立ち上がります。例えば、このセット例の「MainBeat」のクォンタイズ設定を「Global」に変更し、グローバルクォンタイズ設定を「Bar」に設定したとします。この場合、一見今までと同じように動作すると思われますが、実際にはフィルクリップを立ち上げると、「16分音符後」すぐに「MainBeat」が再生を開始します。しかし、「MainBeat」の再生ボタンを直接クリックすると、このクリップは次の小節頭にあわせて、再度再生をします。この違いを念頭において設定することで、より複雑かつ意図的なオートメーションプログラムを組むことができるでしょう。

これまで見てきましたように、フォローアクションはLiveのセッションビューに新たな息吹を吹き込んだ画期的な機能と言えます。これによって、Liveはコントロールの自由度を維持しながらも、パフォーマンスオートメーションを必要に応じて追加できるようになり、より進化したパフォーマンスを実現します。この機能は大変シンプルですが、その可能性はほぼ無限に近いものです。ここで紹介している使用例はその可能性のほんの一部分にしかすぎません。他の使用方法を思いつきましたでしょうか? 思いつくままにフォローアクションの使用方法を考えて、実践してみましょう!

その他のフォローアクションの活用法については、Liveのリファレンスマニュアルをご参照ください。







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